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霧ヶ峰 の草原 を歩く(モデルコースの紹介)

霧ヶ峰の草原を歩く(モデルコースの紹介)

霧ヶ峰の地形_蝶々深山
霧ヶ峰には、きびしい登山をしなくても自動車やバスで気軽に訪れることができます。しかしその魅力をより深く味わうには、やはりトレイルを歩いてみるのが一番です。ここでは、草原植生やひととのかかわりの多様性を映し出す、変化のあるルートをモデルコースとしてご紹介しましょう。

霧ヶ峰モデルコース04_樹叢上部から霧ヶ峰インターチェンジ方面を望む霧ヶ峰インターチェンジとよばれる、高原上の道路の交差点を出発点にしましょう。この付近には自然保護センターや広い駐車場、売店などがあり、市街地から自動車やバスで容易にたどりつくことができます。
シカの食べ痕が残る植物園地とよばれる東側の草地に入ると、トレイルがすぐに二股に分かれます。ここでは左側の変化のあるコースをたどりましょう。このあたりにはシカよけの電気柵が設置されており、夏季には柵内にさまざまな花をみることができます。やがてミズナラを中心とする小さな林に入ります。これが樹叢です。樹叢をぬけると少し登りの傾斜が急になります。電気柵がなくなると、花が少なくなることに気がつくでしょう。注意してみれば、草をシカがかじった食べあとや、地面に残されたシカの足跡をみつけることができるかもしれません。
少し登ると左下に視界がひらけ、広大な八島ヶ原湿原を遠望することができます。さらに登って傾斜がゆるやかになり、車山肩に近づくと、また電気柵がトレイル沿いに出てきます。夏のシーズンにはニッコウキスゲやマツムシソウなど多くの花が柵内に咲いています。前方には車山が見えます。車山肩の一角からは、車山湿原を見下すことができます。ここからは車山の山頂を越えることもできますし、車山湿原の南側にある巻き道をたどることもできます。ここでは後者をとりましょう。湿原の周囲で乾燥化が進んでいる様子が感じられます。やがてトレイルのT字路につきあたります。ここをいったん左に折れて、車山湿原の中心部に近づくこともできます。そこから引き返し、T字路の右方面に向かうと、車山乗越という峠を越えます。車山の山頂を越えるルートはこのあたりに下りてきて合流します。車山肩から車山を望む
スキー場のゲレンデに咲くニッッコウキスゲ車山乗越からは車山高原スキー場のゲレンデに沿ってゆるやかに坂をくだります。このあたりにも広く電気柵が設置されており、多くの花を見ることができます。スキー場の東側の尾根にまわりこむようにしてゆるやかにくだり、そのつきあたりからスキー場の売店や駐車場、ビジターセンター、リフト乗り場のある一角に下りることもできます。

スキー場東側の尾根のつきあたりを左折して白樺湖方面に向かうと、このあたりはつい最近まで火入れのつづけられてきた草原です。植生がほかの場所とちがうことが感じられるかもしれません。トレイルに沿って土の露出したところでは、黒い土層が見えます。これか黒ボク土です。やがて道路にたどりつき、少し下ると白樺湖畔に出ます。この付近のバス停から路線バスに乗って起点に戻ることもできますが、本数が少ないので事前に運行時刻を確認しておいてください。


火入れ草原