生物多様性ホットスポット1( 日本を代表する 高山植生)
生物多様性ホットスポット1(日本を代表する高山植生)

中部山岳域の山道を登り、森林限界をぬけて視界が大きくひらけると、匍匐するように低く枝を広げてハイマツの群落が広がり、そのところどころに高山植物の花々の咲く群落が展開します。これらの高山植生は、日本の生物多様性ホットスポットの重要な一部分を占めています。

後氷期の日本の比較的温暖な気候のもとでこれらの植物が生きのびることができたのは、世界有数の強風や深雪をともなう厳しい環境や、高山に特有のさまざまな地形や地質に適応することができたためと考えられています。中部山岳域では、強風が吹きつける稜線の西側に風衝地、多量の雪がたまりやすい稜線の東側に雪田ができることが多く、それぞれの立地に応じて異なる植物群落が形成されます。これらのほかにも、地形や地質に応じてさまざまなタイプの高山植物群落があります。
